
「今年は流行が早いと聞きました。9月からワクチンを打った方がいいですか?」
接種をいつ受けるか、迷っている方もいらっしゃると思います。
当院では、10月以降の接種を基本に、周囲の流行やお一人おひとりの予定に合わせてご案内しています。 早めの接種を希望される方には、2026年9月14日(月)から注射のワクチン接種を開始します。
今回は、ワクチンの効果が続く期間と岡山の流行時期をもとに、接種時期の考え方をご紹介します。
ワクチンの効果は、少しずつ弱まっていきます
注射のインフルエンザワクチンの予防効果は、接種後ずっと同じ強さで続くわけではありません。時間がたつにつれて、少しずつ弱まることが分かっています。[1–4]
日本の65歳以上の方を対象にした研究では、効果は徐々に弱まりながらも、おおむね接種後4~5か月まで確認されていました。[3]
ただし、「5か月たったら急に効かなくなる」ということではありません。効果の続き方は、年齢や流行するウイルスの種類などによって異なります。
そのため、接種時期は「早く流行したときへの備え」と「冬の流行期まで効果を保つこと」の両方を考えて決めることが大切です。[1–4]
岡山では、何月ごろに流行しているのでしょうか?
岡山県の過去のデータをみると、患者さんが最も多くなる時期は、年によって違います。[5–9]
最近のシーズンでは、次の時期に大きな流行の山がありました。
| シーズン | 流行開始 | 患者さんが多かった時期 |
|---|---|---|
| 2009/10年 | 8月下旬 | 11月下旬 |
| 2022/23年 | 12月下旬 | 3月上旬 |
| 2023/24年 | 8月下旬 | 12月上旬 |
| 2024/25年 | 11月中旬 | 12月下旬 |
| 2025/26年 | 10月下旬 | 12月中旬 |
また、新型インフルエンザがパンデミックとなり今年の様に早くから流行した2009年は、8月下旬に流行が始まり、ピークは11月下旬でした。通常とは異なる大きな流行が起きた年ですが、流行が早く始まっても、患者さんが最も増えるのは数か月先になることがあると分かります。[5]
こうした岡山の流行時期とワクチンの効果の持続を踏まえ、当院では10月以降を接種の基本的な目安としています。実際の接種時期は、その年の流行や生活の予定に合わせて調整します。
接種時期の目安

大人の方は、10月以降を基本に
特別な予定がない方には、10月上旬~中旬ごろを一つの目安としてご案内しています。
一方、身近で流行している場合や、仕事・旅行などで人と接する機会が多い場合は、早めの接種も選択肢です。10月まで必ず待つ必要はありません。
2回接種のお子さんは、1回目を9月下旬~10月に
注射のワクチンを2回受けるお子さんは、2回目までの期間も考えて予定を立てましょう。
当院では、9月下旬~10月に1回目を受けることを目安としています。接種回数や2回目の日程は、年齢などを確認してご案内します。
受験生は、試験の日程も考えて
1~2月の受験に備えたい方には、10月中旬~11月上旬ごろも一つの目安です。
試験の日程だけでなく、学校や塾での流行状況も踏まえて相談しましょう。すでに身近で流行している場合は、早めの接種を検討します。
なお、ここで紹介した時期を過ぎても、接種する意味がなくなるわけではありません。受けそびれた方もご相談ください。
9月14日から、希望される方の接種を始めます
当院では、2026年9月14日(月)から、注射のインフルエンザワクチン接種を開始します。
次のような方は、9月の接種もご検討ください。
- 身近でインフルエンザが流行している方
- 仕事や生活で多くの人と接する方
- 旅行や海外渡航などを予定している方
- 10月以降に接種の時間を取りにくい方
「自分はいつ受けるのがよいか」と迷う場合は、お気軽にご相談ください。
お子さんには、鼻にスプレーする「フルミスト」も
注射が苦手なお子さんには、鼻にスプレーするインフルエンザワクチン「フルミスト」という選択肢もあります。
対象は2歳以上19歳未満で、左右の鼻にスプレーして接種します。接種は1回です。[10]
持病や使用中のお薬によっては、受けられない場合があります。特に、免疫の働きが低下する病気や治療、喘息がある方は、事前にご相談ください。妊娠中の方は接種できません。[10]
フルミストは注射とは異なる種類のワクチンです。接種時期も含め、お子さんの年齢や体調に合わせてご案内します。
公費で接種を受ける方へ
岡山市の高齢者インフルエンザ定期接種は、10月1日からです。
65歳以上の方など、公費の対象となる方は、制度の開始日をご確認のうえご予約ください。9月中の接種は、岡山市の公費対象にはなりません。
他の自治体にお住まいの方は、お住まいの自治体の案内をご確認ください。
ご予約について
注射・フルミストともに、前日までの完全予約制です。またフルミストには限りがありますので、ご予約はお早めにお願いいたします。
ご自身やご家族の予定に合わせて、冬に向けた準備を進めていきましょう。接種時期やワクチン選びについては、おおみち耳鼻咽喉科医院へお気軽にご相談ください。
参考文献・資料
[1] Young B, Sadarangani S, Jiang L, Wilder-Smith A, Chen MIC. Duration of Influenza Vaccine Effectiveness: A Systematic Review, Meta-analysis, and Meta-regression of Test-Negative Design Case-Control Studies. J Infect Dis. 2018;217(5):731–741. doi:10.1093/infdis/jix632. PubMed
[2] Ray GT, Lewis N, Klein NP, Daley MF, Wang SV, Kulldorff M, Fireman B. Intraseason Waning of Influenza Vaccine Effectiveness. Clin Infect Dis. 2019;68(10):1623–1630. doi:10.1093/cid/ciy770. PubMed
[3] Uemura K, Ono S, Michihata N, Yamana H, Yasunaga H. Duration of influenza vaccine effectiveness in the elderly in Japan: A retrospective cohort study using large-scale population-based registry data. Vaccine. 2023;41(19):3092–3098. doi:10.1016/j.vaccine.2023.03.066. PubMed
[4] Nazareth J, Veli N, Pan D, et al. Duration of the serological response and effectiveness of the inactivated influenza vaccine in healthy adults aged 18–65 years: a systematic review and meta-analysis. Lancet Microbe. 2025;6(11):101136. doi:10.1016/j.lanmic.2025.101136. PubMed
[5] 葛谷光隆, 濱野雅子, 木田浩二, 藤井理津志, 川井睦子. 岡山県における2009~2010年シーズンのインフルエンザ流行について. 岡山県環境保健センター年報. 2011;35:99–105. 該当箇所:p.101「3.1 患者発生状況」・図1(PDF4ページ目)。岡山県原資料(閲覧日:2026年9月3日)
[6] 岡山県. 令和5年度第2回岡山県感染症対策委員会資料「感染症発生状況について」(6)インフルエンザ〈2022/23年シーズン〉. 会議日:2024年2月6日。該当箇所:資料p.4(統合PDF115ページ目)。岡山県委員会資料(閲覧日:2026年9月3日)
[7] 岡山県感染症情報センター. 2023/24年シーズン インフルエンザまとめ. 該当箇所:p.1。2024年5月5日までの集計。岡山県シーズンまとめ(閲覧日:2026年9月3日)
[8] 岡山県感染症情報センター. 2024/25年シーズン インフルエンザ患者発生状況・学校等の臨時休業・入院サーベイランス 一覧表. 該当箇所:2024年第52週(12月23~29日)の岡山県欄。岡山県一覧表(閲覧日:2026年9月3日)
[9] 岡山県感染症情報センター. 2025/26年シーズン インフルエンザ患者発生状況・学校等の臨時休業・入院サーベイランス 一覧表. 該当箇所:2025年第50週(12月8~14日)の岡山県欄。確認版は2026年第19週まで記載。岡山県一覧表(閲覧日:2026年9月3日)
[10] 第一三共株式会社/医薬品医療機器総合機構(PMDA). フルミスト点鼻液 電子添文. 2026年8月改訂(第6版)。該当箇所:第2項「接種不適当者」、第6項「用法及び用量」、第8・9項。PMDA電子添文(閲覧日:2026年9月3日)




