岡山市東区 | おおみち耳鼻咽喉科医院
きこえ(難聴)専門外来
聞こえの困りごとから、
ご本人に合う対応を一緒に考えます。
聞き返しが増えた、テレビの音が大きくなった、片耳だけ聞こえにくい、お子さんの聞こえが気になる。「きこえにくい」という症状には、耳垢や中耳炎、鼓膜の異常、加齢、騒音、内耳の病気、遺伝的要因など、さまざまな原因があります。
当院では、耳の診察と必要な聴力検査を行い、現在の聞こえと生活上の困りごとを確認します。そのうえで、治療、補聴器、手術、経過観察、専門医療機関との連携など、ご本人に合う対応を一緒に考えます。
予約画面では「【初診】きこえ・めまい専門外来」をお選びください。急な聞こえの低下は、予約日を待たずにご相談ください。
急な聞こえの低下は、早めにご相談ください
次のような症状がある場合は、専門外来の予約日を待たずに、速やかに耳鼻咽喉科へご相談ください。
- ある日突然、片耳または両耳が聞こえにくくなった
- 朝起きたら耳が詰まり、聞こえ方が変わっていた
- 急な聞こえの変化に、耳鳴りやめまいを伴う
- 数日間で聞こえが悪化している
- 聞こえにくさに、耳だれ・耳の痛み・発熱を伴う
急な難聴には、早期の診断と治療が重要な病気があります。遺伝や補聴器について検討する前に、まず原因を確認します。[1]
急な難聴やめまいに、ろれつが回らない、片側の手足が動かしにくいなどの症状が重なる場合は、通常の予約を待たず、119番への連絡など救急対応を優先してください。
このようなお悩みをご相談ください
- 会話で聞き返すことが増えた
- テレビの音量を家族から指摘される
- 騒がしい場所で言葉を聞き取りにくい
- 片耳だけ聞こえにくい
- 耳鳴りや耳の詰まり感がある
- お子さんが呼びかけに反応しにくい
- 新生児聴覚スクリーニング後の相談をしたい
- 補聴器が必要か調べたい
- 補聴器を購入したが、十分に活用できていない
- 鼓膜の穴や中耳炎と聞こえについて相談したい
- 家族に難聴があり、遺伝について知りたい
- 他院で受けた難聴の遺伝学的検査について相談したい
難聴にはさまざまな種類があります
難聴は、主に関係する場所によって、次の3つに分けられます。
音が伝わりにくい伝音難聴
外耳や中耳で音が伝わりにくくなっている状態です。音の振動が内耳まで十分に届きにくくなります。
- 主な原因
- 耳垢、中耳炎、鼓膜の穴、耳小骨の異常など。
- 治療・対応の考え方
- 原因や状態に応じて、耳垢の除去、薬による治療、手術などを検討します。
音を感じ取りにくい感音難聴
内耳や聴神経などの働きに問題がある状態です。音の感じ方や、言葉の聞き取りに影響します。
- 主な原因
- 加齢性難聴、突発性難聴、騒音性難聴など。先天性・遺伝性難聴の多くも含まれます。
- 治療・対応の考え方
- 原因や状態に応じた治療や、補聴器・人工内耳などによって聞こえを補うことを検討します。
両方が重なる混合性難聴
同じ耳に、伝音難聴と感音難聴の両方が重なった状態です。
- 確認すること
- 音の伝わり方と、内耳・聴神経などの働きの両方を確認します。
- 治療・対応の考え方
- 検査結果と生活上の困りごとに応じて、治療や聞こえを補う方法を検討します。
ターコイズの部分は、主に関係する場所を示しています。耳の構造を簡略化したイラストです。
同じ「難聴」でも必要な治療は異なります。補聴器を購入する前に、耳の状態と難聴の種類を確認することが大切です。[1]
当院で行う診察・検査
耳の診察
耳垢、外耳炎、中耳炎、鼓膜の穴など、聞こえに影響する異常がないか確認します。
純音聴力検査
低い音から高い音まで、それぞれどの程度の大きさで聞こえるかを調べます。難聴の程度、種類、左右差を確認する基本的な検査です。
言葉の聞き取りの評価
(語音聴力検査)
音が聞こえるかだけでなく、言葉をどの程度正確に聞き分けられるかを調べます。
同じ聴力でも、言葉の聞き取りには個人差があります。補聴器に期待できる効果や調整目標を考える材料になります。
必要に応じた追加評価
症状や診察結果に応じて、鼓膜や中耳の状態、補聴器装用時の聞こえなどを評価します。画像検査やより詳しい検査が必要な場合は、検査方法や対応できる医療機関への紹介をご案内します。
すべての方に同じ検査を行うわけではありません。症状や年齢、診察結果に合わせて選び、検査を複数日に分けて行う場合もあります。
検査結果に合わせて治療を考えます
難聴の原因と程度、言葉の聞き取り、生活上の困りごとに応じて、次のような対応を検討します。
- 耳垢除去や中耳炎などの治療
- 原因や病状に応じた、急性難聴に対する薬物治療
- 補聴器の試聴・調整
- 鼓膜形成術や鼓室形成術などの手術
- 聞こえを保つための生活上の助言
- 人工内耳など専門的治療が必要な場合の紹介
- 定期的な聴力の経過観察
補聴器や手術の必要性は、検査結果だけで一律に決めるものではありません。ご本人の希望、仕事や家庭で困っている場面、通院の負担なども含めて相談します。
補聴器について相談したい方へ
補聴器は、購入して装着すればすぐに何でも聞こえるようになる機器ではありません。
聴力と言葉の聞き取りを確認し、実生活で試しながら調整を重ねることが大切です。当院では、聞こえの評価から試聴・調整、購入後のフォローまで行っています。
鼓膜の穴や中耳炎がある方へ
鼓膜の穴や中耳の炎症によって、音が伝わりにくくなることがあります。
経過観察でよい場合もあれば、鼓膜再生療法、鼓膜形成術、鼓室形成術などを検討する場合もあります。手術が必要か、日帰りで対応できるかは、耳の状態と全身の状態を確認して判断します。
難聴と遺伝について
難聴のすべてが遺伝性というわけではありません。
一方で、生まれつきの難聴や、若い時期から両耳の聞こえが徐々に低下する難聴の中には、遺伝子が関係しているものがあります。先天性難聴の半数以上には遺伝的要因が関係すると報告されています。[3]
家族に難聴の方がいなくても、遺伝性の場合があります
「遺伝性難聴」と聞くと、親から子へ同じ難聴が続いている家系を想像するかもしれません。
しかし、両親に難聴がなくても、同じ原因遺伝子について、病的バリアント(病気の原因となる遺伝子の変化)を両親から一つずつ受け継いで発症する場合があります。そのため、家族歴がないことだけで遺伝性難聴を否定することはできません。[3][4]
また、同じ病的バリアントがあっても、発症年齢や難聴の程度、進行の速さが異なることがあります。[5]
遺伝学的検査で分かる可能性があること
原因となる病的バリアントが確認されると、次のようなことを考える手がかりになります。
- 難聴の原因
- 今後の聴力変化の傾向
- 難聴以外に注意する症状
- 補聴器や人工内耳などを検討する際の情報
- ご家族や次の世代へ伝わる可能性
ただし、検査結果だけで治療方針や将来が決まるわけではありません。聴力、発症時期、経過、家族歴などと合わせて判断します。[5][6]
遺伝学的検査でも分からないことがあります
検査をしても、原因となる変化が見つからないことがあります。その場合も、遺伝的な要因を完全に否定できるわけではありません。
また、遺伝子の変化が見つかっても、次のようなことがあります。
- 難聴の原因か判断できない
- 発症年齢や進行速度を正確に予測できない
- 医学の進歩によって解釈が変わる
遺伝情報は本人だけでなく血縁者とも一部共有され、結果の解釈に曖昧さを含む場合があります。そのため、検査前後の十分な説明と遺伝カウンセリングが重要です。検査を受けるかどうかも、ご本人やご家族の希望を確認しながら相談します。[5][6]
遺伝子治療の開発も進んでいます
遺伝性難聴の一部では、原因となる遺伝子に応じた遺伝子治療の開発が進んでいます。
2026年4月23日、米国でOTOF遺伝子に関連する重い感音難聴を対象とした遺伝子治療「OTARMENI」が、難聴の遺伝子治療として初めて承認されました。対象は、OTOF遺伝子の両方のコピーに原因となる変化が確認され、内耳の外有毛細胞の機能が保たれていること、治療する耳に人工内耳を入れたことがないことなど、一定の条件を満たす方に限られます。米国の迅速承認制度(Accelerated Approval)による承認で、効果の持続性などについて引き続き検証が必要です。[7][8]
日本での状況(2026年10月21日確認)
日本でもDB-OTOの治験が登録され、2026年7月29日には製造販売承認が申請されました。確認時点では国内で承認申請中であり、当院でこの遺伝子治療を行うことはできません。[9][10][11]
院長は米国アイオワ大学への留学中に、遺伝性難聴の研究に従事しました。2019年には共同研究者とともに総説を発表し、内耳へ治療用遺伝子を届ける方法、ウイルスベクターを用いた治療戦略、基礎研究から臨床応用へ進むための課題を整理しています。[12]
原因遺伝子に応じた遺伝子治療を検討するには、遺伝学的な診断が重要です。対象となるかどうかは、原因遺伝子だけでなく、聴力や内耳の状態なども含めて判断します。遺伝学的検査を受ければ遺伝子治療を受けられる、という意味ではありません。
現在の診療では、聴力、言葉の聞き取り、年齢、難聴の進行、生活上の困りごとなどを確認し、補聴器、人工内耳、経過観察など、その方に適した対応を検討します。
当院での遺伝相談
当院には臨床遺伝専門医が在籍しています。
まず耳の診察と聴力を確認し、発症時期、経過、家族歴、過去の検査結果を整理します。そのうえで、遺伝学的検査を検討する意義と限界、必要な検査や受診先についてご説明します。
他院で受けた遺伝学的検査についてのご相談
通常診療とは異なる時間で対応します。事前にお電話(086-944-2033)でお問い合わせください。相談内容、時間枠、費用について、ご予約前にご案内します。検査結果の報告書や紹介状などをお持ちの場合は、ご用意ください。
初診の流れ
- Web予約で「【初診】きこえ・めまい専門外来」を選択
時間枠予約は前日まで受け付けています。 - Web問診へ症状と経過を入力
いつから、どちらの耳が、どのような場面で聞こえにくいかをご記入ください。 - 耳の診察と必要な聴力検査
耳の状態と聞こえを確認します。 - 結果と考えられる原因の説明
検査結果とこれまでの経過を合わせてご説明します。 - 今後の対応を相談
治療、補聴器、手術、経過観察、紹介などをご本人の希望も含めて考えます。
本ページの「きこえ(難聴)専門外来」は、予約画面では「【初診】きこえ・めまい専門外来」と表示されます。再診は、診察時の案内に従ってください。
当日のご相談は、一般外来の当日順番予約でも受け付けています。検査や補聴器の試聴・調整は、別日にご案内する場合があります。急な聞こえの低下は、時間枠予約の日を待たずにご相談ください。
お持ちいただくもの
- マイナ保険証または資格確認書
- お薬手帳
- 過去の聴力検査結果、紹介状、画像データ(お持ちの方)
- お使いの補聴器と、機種・購入先が分かる資料(お持ちの方)
- 遺伝学的検査の結果報告書(ご相談を希望される方)
ご本人だけでは困っている場面を説明しにくい場合もあります。可能であれば、普段の会話の様子をご存じのご家族も一緒に受診してください。
費用について
診察・検査の費用は、診療内容や健康保険の自己負担割合によって異なります。予約に伴う特別の料金や自費の相談など、保険診療以外の費用が生じる場合は、内容・金額を事前にご案内します。
よくあるご質問
受診した日に補聴器を購入することになりますか?
すぐに購入を決めるわけではありません。耳の診察と聴力検査を行い、補聴器が役立つ可能性をご説明したうえで、必要に応じて試聴・調整を進めます。
聞こえにくいのは年齢のためだと思いますが、受診できますか?
ご相談いただけます。加齢性難聴と思っていても、耳垢、中耳炎、鼓膜の異常などが関係している場合があります。
片耳だけ聞こえにくい場合も相談できますか?
ご相談ください。左右差がある場合は、その原因を確認することが大切です。急に聞こえにくくなった場合は、予約日を待たずに早めに受診してください。
家族に難聴の人がいなくても遺伝相談を受けられますか?
ご相談いただけます。家族歴がなくても遺伝性難聴の場合があります。遺伝学的検査が必要かどうかは、聴力や発症時期、経過を確認して判断します。
遺伝学的検査を受ければ、将来の聞こえが正確に分かりますか?
検査結果が経過を考える手がかりになることはありますが、発症年齢や進行速度を正確に予測できるとは限りません。
難聴の遺伝子治療は受けられますか?
2026年10月21日の確認時点では、OTOF遺伝子に関連する難聴の遺伝子治療は国内で承認申請中であり、当院で行うことはできません。原因遺伝子の確認や治療開発についてのご相談に応じ、必要に応じて専門医療機関と連携します。治験への参加には条件があります。[9][10][11]
他院へ通院中でも相談できますか?
ご相談いただけます。紹介状や過去の検査結果があればお持ちください。他院で受けた遺伝学的検査についての詳しいご相談は、事前にお電話でお問い合わせください。
受診をご希望の方へ
Web予約画面で「【初診】きこえ・めまい専門外来」をお選びください。
急な聞こえの低下がある場合や、予約方法・遺伝相談の時間枠について迷う場合は、お電話でお問い合わせください。
当日のご相談は、同じWeb予約画面から一般外来の当日順番予約をご利用いただけます。
参考文献・公的資料
本文の番号から該当する文献・資料へ移動できます。ウェブ資料の参照日:2026年10月21日。
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.耳の病気[Internet].2023年2月13日更新[参照2026年10月21日].学会の解説(難聴・突発性難聴など).
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.新生児聴覚スクリーニング[Internet].2022年11月30日更新[参照2026年10月21日].学会の解説.
- 野口佳裕.遺伝性難聴入門.Audiology Japan. 2022;65(3):169–176. doi:10.4295/audiology.65.169.
- 難病情報センター.若年発症型両側性感音難聴(指定難病304)[Internet].2025年12月更新[参照2026年10月21日].病気の解説(一般利用者向け).
- 日本医学会.医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン[Internet].2022年3月改定[参照2026年10月21日].ガイドライン本文(PDF).
- 岡野高之.難聴の遺伝学的検査.日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報. 2022;125(12):1724–1728. doi:10.3950/jibiinkotokeibu.125.12_1724.
- U.S. Food and Drug Administration. FDA Approves First-Ever Gene Therapy for Treatment of Genetic Hearing Loss Under National Priority Voucher Program [Internet]. 2026 Apr 23 [cited 2026 Oct 21]. FDA news release.
- U.S. Food and Drug Administration. OTARMENI (lunsotogene parvec-cwha): prescribing information [Internet]. Revised 2026 Apr [cited 2026 Oct 21]. Prescribing information (PDF).
- 厚生労働省.DB-OTO-001(jRCT2033250730).臨床研究情報ポータルサイト[Internet].2026年10月21日更新[参照2026年10月21日].試験登録情報.
- リジェネロン・ジャパン株式会社.先天性難聴の遺伝子治療製品「DB-OTO」製造販売承認を申請[Internet].2026年7月29日[参照2026年10月21日].プレスリリース(PDF).
- 国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部.日本で臨床開発段階にある主な遺伝子治療製品[Internet].2026年9月24日更新[参照2026年10月21日].国内開発品一覧(PDF).
- Omichi R, Shibata SB, Morton CC, Smith RJH. Gene therapy for hearing loss. Hum Mol Genet. 2019;28(R1):R65–R79. doi:10.1093/hmg/ddz129. PMID:31227837.




