
インフルエンザ予防の方法には注射以外にも選択肢があります。
当院では、今シーズンから鼻から吸入するタイプで1回の受診で完了するワクチン 「フルミスト」 を取り扱います。
適応年齢の制限などあり、下記ご説明を最後までご覧いただき、予約をお願いいたします。
ワクチンの基本的な利点
- 発症や受診・入院のリスクを下げる
季節性ワクチンは、流行株との一致度によって効果は変動しますが、発症・受診・入院・死亡のリスク低下が多数の研究で示されています。米国疾病管理予防センター(以下CDC)は、毎シーズン数百万人規模の発症と数万件の入院を予防していると推計しています。 CDC - かかっても軽くすむ「重症化予防」
罹患しても、重い肺炎や集中治療が必要な状態を減らすことが示されています。 CDC - 社会全体を守る(周りへの広がりを抑える)
多くの人が接種することで流行の波が小さくなり、医療逼迫を抑える効果が期待できます。世界保健機関(WHO)も各国での予防接種プログラムの実施を推奨しています。 WHO
※ワクチンは「感染を100%防ぐ」ものではありません。発症や重症化の確率を下げることが最大の目的です。 CDC
フルミストとは?

- 鼻にスプレーする 鼻噴霧型のインフルエンザ弱毒生ワクチン です。
- 従来の注射ワクチンと異なり、針を使わずに投与できます。
- 鼻やのどの粘膜に働きかけるため、体の自然な防御機能を高めます。
- 従来2回の注射が必要でしたが、フルミストの場合1回の受診で完了します。
接種対象
- 2歳以上、18歳以下の健康な方が対象です。
- 以下の方は接種できません。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 当日体調不良の方
- 重度の喘息や呼吸器疾患をお持ちの方
- 免疫抑制状態の方(ステロイド内服中、血液腫瘍疾患など)
- アスピリン内服中の方(市販のPL配合顆粒などにも含まれます)
- 授乳中の赤ちゃんがいる家族
- インフルエンザワクチン成分、ゼラチンに対して重度のアレルギーのある方
フルミスト(点鼻ワクチン)を受けるときの注意点
妊婦さんや小さなお子さんがいるご家庭へ
フルミストは鼻から吸う「生ワクチン」です。そのため、接種したあとしばらくは鼻の中に弱いウイルスが残ります。このウイルスは、せきやくしゃみ、または手を介して、家族にうつることがあります。
ワクチンの説明書には「接種してから1〜2週間は、重い免疫不全の人とできるだけ接触を避けるように」と書かれています。
また、妊娠中の方はフルミストを受けることができません。2歳未満のお子さんは、点鼻タイプを受けると入院する確率が高くなるため、対象外です。
そのため、ご家庭に妊婦さん、2歳未満のお子さん、免疫不全の方がいる場合は、点鼻タイプではなく注射タイプを選んだ方が安心です。
喘息のある方へ
喘息を持っている方が点鼻タイプを受けると、発作が起きる可能性があります。日本小児科学会も、喘息のある子ども(特に幼児)には、注射タイプをすすめています。
アスピリンを飲んでいる方へ
インフルエンザにかかったとき、アスピリンを飲むと「ライ症候群」という重い病気を起こすことがあると知られています。そのため、アスピリンを内服中の方は注意が必要です。ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸でも同じような注意がありますが、今では耳鼻科や小児科で処方されることはほとんどありません。
検査で陽性になることがあります
フルミストは生ワクチンなので、接種したあとは鼻の中でウイルスがしばらく増えます。そのため、インフルエンザの抗原検査やPCR検査を受けると、ワクチンのせいで「陽性」と出ることがあります。もし接種してすぐに発熱などの症状が出ても、検査ではワクチン由来か本当の感染かを区別できません。
以上より、フルミストの接種は流行が始まる前の10月頃、できるだけ早めに受けることをおすすめします。
詳細は医師にご相談ください。
接種の流れ
フルミストの場合
- Web問診(1歳以上6歳未満は岡山市指定の問診票に記載)
- 体調確認
- 鼻にスプレーを噴霧
- 30分院内で経過観察
- 帰宅
従来の皮下注射の場合
- Web問診(1歳以上6歳未満の児童、及び65歳以上の高齢者は岡山市指定の問診票に記載)
- 体調確認
- 皮下注射(13歳未満は2回来院必要、13歳以上は1回)
- 30分院内で経過観察
- 帰宅
⭐️針を使わないため、痛みはほとんどありません。
⭐️当日はワクチン接種のみの方は優先的にお呼び出しいたします。
⚠️当日診察希望の方は、通常の診察枠予約も合わせてお願いいたします。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. フルミストと注射ワクチンはどう違うのですか?
A1. 注射は筋肉に投与するのに対し、フルミストは鼻から投与します。鼻やのどの粘膜に作用し、自然な感染防御機構を活性化する点が特徴です。
Q2. 痛みはありますか?
A2. 注射針を使用しないため、痛みはほとんどありません。鼻にスプレーされる感覚が少しある程度です。
Q3. 子どもでも接種できますか?
A3. はい、2歳以上のお子さまから接種可能です。ただし喘息など呼吸器の持病がある場合は、皮下注射をお勧めいたします。
Q4. 副反応はありますか?
A4. 接種後に鼻水・鼻づまり・くしゃみ・のどの痛みなどが出ることがあります。ほとんどは軽度で一時的ですが、気になる症状がある場合は速やかにご相談ください。
Q5. 注射と両方受けた方が良いですか?
A5. どちらか一方で十分です。
Q6. 卵アレルギーがあると受けられないのは本当ですか?
A6. 卵アレルギーがあってもインフルエンザワクチンは受けられます!
- 卵アレルギーのある人も、年齢や健康状態に応じて適切なインフルエンザワクチンを受けることができます。卵を使ったものでも使っていないものでもOKです。 CDC
- 2023–2024年シーズンから、卵アレルギーを持っていたとしても「これまでの反応が重度だったかどうか」によって特別な安全対策を追加でとることは、通常必要とされなくなりました。 CDC
- ワクチンの接種は、アレルギー反応(重症なものも含む)が起きた場合にすぐ対応できる設備や人員が整っている場所で行うべきです。当院では緊急時の初期対応を行える準備を整えております。 CDC
ご予約・ご相談
フルミストは2歳以上、18歳以下の方限定となっております。10月中先着100名様とさせていただきます。
その他の年齢の方は今まで通り皮下注射となります。皮下注射ワクチンについては、1回目3850円、2回目2750円です。午前10人まで、午後10人までとさせていただきます。
接種ご希望の方は、下記QRコードより、デジスマのインフルエンザワクチン予約ページから、お早めにご予約いただきますようにお願いいたします。
予約は2日前まで可能です。
体調不良などの理由で予約を変更したい場合は、前日まででしたらネット上でキャンセル+再予約をしてください。それ以降はお電話でご相談ください。
無断キャンセル(=連絡なく当日来院されない)場合は、自動的に予約は無効となります。3回無断キャンセルが続きますと、以降のネットでのご予約はお断りさせていただく場合がございます。

⭐️当日はワクチン接種のみの方は優先的にお呼び出しいたします。
⚠️当日診察希望の方は、通常の診察枠予約も合わせてお願いいたします。
⚠️詳細は診察時に医師へご相談ください。
予診票は下記をご自宅で印刷・記入の上で来院いただけますとスムーズに受診いただけます。
1歳以上6歳未満の方はこちらをご利用ください。