鼓膜の穴をふさぐ治療
岡山市東区 | おおみち耳鼻咽喉科医院
「どんな治療があるの?」
「費用はどれくらい?」
気になる治療の流れや費用を、図を使ってわかりやすくご紹介します。
鼓膜の穴をふさぐ、4つの治療法
治療の違いと費用を一覧でご紹介します。表は横にスクロールできます。治療名を押すと詳しい説明へ進めます。
| 比較項目 | リティンパ鼓膜再生療法 | 鼓膜形成術接着法 | 顕微鏡下 鼓室形成術Ⅰ型耳小骨のつながりを温存 | 内視鏡下 鼓室形成術Ⅰ型耳小骨のつながりを温存(TEES) |
|---|---|---|---|---|
| 利点 | 自分の組織を採るための傷が不要 | 比較的短時間 局所麻酔による日帰り治療を選びやすい | 立体的な視野で確認 両手で操作できる | 近くから広い範囲を確認 耳の後ろの大きな切開を避けやすい |
| 注意点 | 複数回の処置が必要な場合がある 炎症・感染の状態により適応を確認 | 組織採取の小切開が必要 移植片のずれ・再穿孔の可能性 | 病変や外耳道の形により、切開や骨の処置の範囲が変わる | 基本は片手で操作 移植組織を採る小切開が必要な場合がある |
| 鼓膜穿孔 閉鎖率 (目安) | 75% 最大4回の治療 | 約80〜90% | 約90〜95% | 約90〜95% |
| 保険点数 (手術料) | K311:1,900点 一連につき/薬剤等は別 | K318:18,100点 | K319「1」 34,660点 | K319「1」 34,660点 |
| 費用 (3割負担) | 手術料:5,700円 薬剤1セット込み 約15,490円(初回) +糊・診察・検査等 | 手術料:54,300円 +麻酔・薬剤・診察・検査等 | 手術料:103,980円 +麻酔・薬剤・診察・検査等 | 手術料:103,980円 +麻酔・薬剤・診察・検査等 |
2026年9月確認。費用は治療総額ではありません。閉鎖率は目安で、当院の治療成績ではありません。出典は各治療の説明欄に記載しています。
治療の選択は、鼓膜の穴や中耳の状態などを診察して判断します。
いずれの治療にも共通するのは、最終的に鼓膜の再生を促す手術であることです。鼓膜を貼り替える手術ではありません。
また、再生した鼓膜に再び穿孔が生じる可能性があります。
鼓室形成術は、ここでは耳小骨のつながりを温存する「Ⅰ型」を説明しています。
リティンパによる鼓膜再生療法
薬剤とスポンジを足場に、鼓膜の再生を促します。

患者さん向けの模式図・縮尺不同。スマホでは図を横に動かして確認できます。
- 穿孔の縁を整える
- 薬剤を含むスポンジと糊を使う
- 治り方を確認する
利点
自分の組織を採るための傷が必要ありません。
注意点
複数回の処置が必要な場合があります。活動性の炎症・感染・耳漏などがある場合には適応を確認します。
鼓膜穿孔閉鎖率(目安)
75%(最大4回の治療)
鼓膜形成術(接着法)
小さな自家組織を穴の内側に当て、鼓膜が再生する足場として、再生を促します。

図は手術中の1〜3を示しています。4は術後の経過です。スマホでは図を横に動かして確認できます。
- 鼓膜の穿孔を確認する
- 穿孔縁を整え移植片を準備する
- 穿孔の内側に移植片を留置する
- 鼓膜の再生が進むにつれて、移植片は吸収されていきます。
利点
比較的短時間で、局所麻酔による日帰り治療を選びやすい方法です。
注意点
組織採取の小切開が必要です。移植片のずれや再穿孔が起こる場合があります。
鼓膜穿孔閉鎖率(目安)
約80〜90%
顕微鏡下鼓室形成術Ⅰ型
立体的な視野で中耳を確認し、耳小骨のつながりを保って鼓膜の再生を促します。

図は手術中の1〜3を示しています。4は術後の経過です。スマホでは図を横に動かして確認できます。
- 鼓膜の内側を観察する
- 耳後部をメスで切開し、耳の皮膚を剥がしながら鼓膜の裏側を確認する
- 穿孔の内側に移植片を留置する(生着・上皮化する前の状態)
- 鼓膜の再生が進むにつれて、移植片は吸収されていきます。
利点
顕微鏡を通した立体的な視野で、両手を使って操作できます。
注意点
病変や外耳道の形により、切開や骨の処置の範囲が変わります。顕微鏡手術で必ず大きな耳後切開が必要になるわけではありません。
鼓膜穿孔閉鎖率(目安)
約90〜95%
内視鏡下鼓室形成術Ⅰ型
耳の穴から内視鏡で観察し、耳小骨のつながりを保って鼓膜の再生を促します。

図は手術中の1〜3を示しています。4は術後の経過です。スマホでは図を横に動かして確認できます。
- 内視鏡で耳の中を見る
- 鼓膜をめくり中耳を確認する
- 穿孔の内側に移植片を留置する(生着・上皮化する前の状態)
- 鼓膜の再生が進むにつれて、移植片は吸収されていきます。
利点
近くから広い範囲を観察でき、耳の後ろの大きな切開を避けやすい方法です。
注意点
基本は片手で処置します。移植組織を採る小切開が必要な場合もあります。
鼓膜穿孔閉鎖率(目安)
約90〜95%
どの治療でも、穴が閉じない・再び開く可能性があり、鼓膜の閉鎖と聞こえの改善は別に評価します。手術では出血・感染・めまい・味覚変化・聞こえの悪化などのリスクもあり、具体的な内容は術式に応じて説明します。
よくあるご質問
鼓膜の穴は、必ず手術が必要ですか?
必ず必要というわけではありません。自然に閉じる可能性、耳だれや聞こえへの影響などを確認して、経過観察も含めた方針を相談します。
鼓膜形成術と鼓室形成術はどう選びますか?
鼓膜の穴だけでなく、中耳の炎症や病変、耳小骨の状態などから判断します。ご自身で手術方法を決めて受診する必要はありません。
鼓膜の穴が閉じれば、聞こえは元どおりになりますか?
元どおりになるとは限りません。難聴の原因や中耳・内耳の状態によって、期待できる改善の程度が異なります。
鼓膜再生療法を受けられますか?
適した治療は鼓膜の状態によって異なります。ご希望を受診時にお伝えください。当院で対応できる具体的な治療方法を診察時にご案内します。




